第二回日本加圧トレーニング学会総会 |
2006/5/14 作成 |
日時 |
06年2月12日 13日(土・日曜日) |
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場所 |
東京大学駒場キャンパス 数理科学研究棟 |
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11日(土)13:00〜17:00 |
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基調講演 |
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「加圧トレーニングの大衆化に向けて」 佐藤義昭先生(日本加圧トレーニング学会会長) |
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「正座の時の脚の痺れはなんだったんだろうか?」その時の疑問から「筋肉を太くしたい」 |
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という個人の素朴な要求から自分自身の体を実験台に41年が経った。 |
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現在では全国400名からの指導者によって日々実践されている。 |
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95年には東大 石井教授らによって科学的解明が始められ、05年には首都大学阿部教授らにより |
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介護予防の基礎となる加圧ウォーキングの研究発表 |
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東大中島助教授によるAir flight・宇宙への研究 |
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将来は航空機・自動車への搭載。介護・介護予防機器への搭載 |
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来るべき超高齢者社会を乗り切る切り札となるだろう。 |
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大会長講演 |
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「加圧トレーニングとマイオカイン」 石井直方先生(東京大学大学院総合文化研究科) |
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加圧トレーニングによるリハビリテーションでは、しばしば、体肢疼痛の軽減や |
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麻痺の改善などの急性効果があるとの報告がある。 |
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これらのメカニズムは@感覚神経を介した抹消から中枢への作用A抹消における物質生成の関与 |
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と考えられる。 |
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近年筋運動に伴い筋繊維より生理活性物質の分泌を確認「マイオカイン」 |
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筋より体循環に移行し、抗炎症作用、脂肪分解促進などの効果をもたらすと考えられる。 |
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他遺伝子にも顕著な変化を示すものもあり今後の検討を加える必要と考える。 |
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公開シンポジウム (一般参加無料) |
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「病気を治す、病気を防ぐ加圧トレーングを科学する」 |
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加圧トレーニングの実態・全国調査 高野治人先生(東京大学大学院医学系研究科) |
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加圧トレーニングでは、スポーツ医学分野では広く認知され、既にプロスポーツ選手のトレーニングに |
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も利用されている。更に最近では整形外科領域をはじめ、高齢者、各種疾患患者の筋力トレーニング法として用いられている。 |
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そこで、加圧とレーニングの現状の把握安全性の確認等のため全国200か所でのアンケート調査を実施 |
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※施設の種類 |
※対象年齢 |
※合併症(12,382例のうち) |
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トレーニング施設 27% |
10代〜90歳以上 |
皮下出血 13.3% |
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接骨院・整骨院 24% |
※加圧目的 |
冷感・しびれ 1.4% |
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病院・診療所 22% |
筋力増強 |
肺塞栓 0.008%(疑いの一例のみ) |
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鍼灸院マッサージ 10% |
筋萎縮の予防 |
静脈血栓 0.024% |
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リハビリ |
その他 0.28% |
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肥満予防 |
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一般の健常人延べ数12.384人/年の加圧トレーニングには、まったくの重篤な合併症は認められなかった。 |
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以上により、加圧トレーニング、リハビリは指導者の下では危険性は少なく安全な方法と思われる。 |
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心臓循環系疾患、寝たきり対策への加圧トレーニングの応用 |
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中島敏明先生(東京大学大学院医学系研究科) |
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寝てきりの状態では、1日に0.6%の筋萎縮が起きる。心疾患、血管障害者は充分な運動負荷をかけられない。 |
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加圧トレーニングの血流制限下におけるさまざまな生理現象は立位負荷以上の血行状態への変化とともに |
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自律神経への変化を認めている。寝ていた状態で立位刺激が与えられる方法である |
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加圧トレーニングは心臓循環系疾患、寝たきり対策において新たなるリハビリ方法となる可能性を示唆。 |
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加圧トレーニングと呼吸器系疾患 河野 宏先生(こうの内科医院) |
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肺気腫と気管支喘息の患者に加圧トレーニングを行い、その有効性を検証 |
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殆ど寝たきり状態であった肺気腫患者では、トレーニング開始後3週間で背もたれ無しの座位2分。3ヵ月後には |
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立位保持訓練開始。4ヵ月後立位保持2分。5ヵ月後座位のまま20分トレーニング。7ヵ月後は1日約20分の座位確保 |
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薬の減少もはっきりと見られた。 |
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喘息患者においては、期間が短かったこと、寒くなる時期にかかり、改善は見られなかったが今後も |
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トレーニングを継続し経過を観察する必要があると思われる。 |
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整形外科手術で使用する空気止血帯と加圧ベルトの動脈・静脈還流の違い |
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-血管超音波診断装置による検討- 加藤義治先生(東京女子医科大学整形外科) |
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深部静脈血栓症、肺梗塞は整形外科手術での重大なる合併症である。止血帯と加圧ベルトでの血管超音波診断 |
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装置で違いを検討。止血帯では動・静脈で遮断。加圧ベルトでは250mmHgでは静脈は遮断 動脈還流は1/2 |
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加圧トレーニング中は動脈の還流はあり、止血帯・加圧ベルト共に解除後は正常の数倍の速度で回復する現象を確認 |
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血栓の危険因子を持っている患者は施行前に超音波精査必要 |
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うつ病治療への加圧トレーニングの応用 春山茂雄先生(田園都市厚生病院) |
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分裂症以外はヒステリー、躁、欝、などは病気と言うよりも誰にでも起こる状態で、その心のコントロールにあると思われる。 |
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05年の自殺者の数は約3万人で交通事故死の約四倍と言われている。鬱病患者は、当院でも増加傾向にある。 |
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鬱病患者の治療は難しく、治療中に年間で3人ぐらい目の前で自殺してしまうことが精神科の病院ではよくある。 |
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医者自信が3ヶ月ぐらい欝になって、食事も出来なくなってしまう・・ |
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当院では鬱病患者及び生活習慣病役1300人の患者に述べ7万回以上の加圧治療を行なっている。 |
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今回脳波計を使用して加圧治療後にα波(やる気が出る)が劇的な増加を確認した。 |
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薬物治療、カウンセリングが主体の鬱病治療に加圧治療は新治療法として画期的であることが確認できた。 |
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12日(日)9:00〜16:30 |
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一般研究発表 |
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低強度の加圧ベンチプレス運動が大胸筋の筋活動に及ぼす影響 藤田 拓先生(首都大学東京大学院理学研究科) |
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加圧トレーニングによって四肢の筋群だけでなく、体幹部の筋群において筋肥大・筋力増加の研究 |
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加圧有と無しで最大挙上負荷の30%負荷 圧は上腕基部に安静時最大血圧約100%の圧設定。 |
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フリーウエイトのベンチプレスを実施。表面筋電図により上腕三頭筋及び大胸筋筋活動量を測定した。 |
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結果 低強度加圧ベンチプレス運動では、腕部の筋群だけでなく体幹部の筋群にも挙上負荷重量以上の大きな |
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力学的なストレスを受けることを示唆した。 |
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運動中の休憩が低強度加圧運動の筋活動に及ぼすの影響 安田智洋先生(東京都立大学大学院理学研究科) |
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レジスタンストレーニングによる筋肥大・筋力増加は力学的ストレスによるが、連続運動を行なった終盤で観察 |
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されるものである。加圧運動を続け途中に休憩をはさんだ時に筋活動に及ぼす影響について検討した。 |
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肘屈曲運動での加圧有無しで、休憩時間を取った時と連続運動での上腕二頭筋の表面電極にて運動中の筋活動量を測定 |
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結果は休憩をはさんだ状態では加圧有・無し共に顕著な増加は見られず運動終了時に約30〜40%高い値を示した。 |
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一方の連続運動では加圧有では約90% 無しでは増加は約40%であった。 |
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加圧による下肢血流制限下の血行動態及び自律神経の変化 |
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飯田陽子先生(東京大学医学部加圧トレーニング虚血循環生理学 |
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加圧トレーニングは筋力増加・筋肉肥大を引き起こす優れた方法として知られている。そこで浅大腿動静脈の血流制限 |
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による血行動態及び自律神経の変化を調べた。 |
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超音波検査により加圧前・中・後測定 |
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下肢における静脈うっ滞が起こり静脈還流が抑制され、単に筋力の増加だけでなく代償性が上昇。 |
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このことにより長期臥床及び宇宙飛行後に認められる起立性低血圧に対する有効な予防策になる可能性がある。 |
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エアフライト(低圧環境下)における加圧トレーニングの凝固線容系に及ぼす影響 科) |
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高野治人先生(東京大学大学院医学系研究 |
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近年長距離航空機利用が増えそれにともない肺塞栓症(エコノミー症候群)の発症が増加。 |
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鬱滞して血栓が生じ、立位などの変更時に血栓が流れ肺動脈に塞栓を生じる疾患である。 |
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長時間座位などにより下肢の血流がつまり血栓を予防することが発症を予防することである。 |
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加圧トレーニングは、除圧加圧を繰り返すことにより下肢の静脈血の鬱滞を防止、肺塞栓症を防ぐ可能性がある。 |
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そこで、飛行機内と同様の低気圧環境下において加圧トレーニングが凝固線容系にどのような影響があるかを検討。 |
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航空機内と同じ0.76気圧 8000feet相当及び1気圧で比較検討 |
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結果加圧トレーニング中は酸素飽和度は増加、また凝固系は変化は認められず、逆に線溶系は亢進を認めた。 |
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結果低気圧環境下においても加圧トレーニングは血栓防止に働くと考えられる。 |
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足関節外側靱帯損傷に対する加圧トレーニングの効果 福田博司先生(ふく田整形外科) |
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足関節外側靱帯損傷(内反捻挫)に対して1〜3週間ギプス固定の後5〜8週間U字型ギプスシーネ、又は支柱・ストラップ付 |
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サポータによる常時固定を行なっていた。(計6〜11週間固定)。加圧トレーニング併用によって症状の期間が短縮した。 |
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まず固定期間の短縮。安静時痛消失期間の短縮、腫脹短縮そして、3ヶ月経過時点の症状軽度化など |
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固定期間が短縮したにもかかわらず改善度が高い結果となった。 |
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今後加圧トレーニング併用により手術治療の適応も少なくなるだろう。 |
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膝関節骨壊死症に対する加圧トレーニングでの2症例 曲渕靖洋先生(油渕接骨院) |
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加圧トレーニングが筋骨格系に及ぼす効果に、血管新生増殖因子の活性化と骨代謝マーカーの促進が報告されている。 |
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実際に2名の患者に加圧トレーニングを施術した。約3ヵ月後に症状の改善があった。1名は4ヵ月の及んだが |
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疼痛の軽減が見られなかった。結果専門医と相談が必要。骨再生には個人差があるので、個人にあった |
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トレーニング処方箋が必要。 |
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大腿骨壊死症に対する加圧とレーングの有用性 坂井田 稔先生 |
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大腿骨壊死症に対する保存的治療と加圧とレーングの有用性について検討した。 |
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従来のリハビリテーションで困難であった、股関節周囲の筋力、関節可動域増大が、病変を進行させることなく |
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容易となった。しかも手術療法に移行したとしても術後及び待機療法としても有用と思われる。 |
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肩こりに対する加圧トレーニングの効果 遠藤 明先生(えんどう桔梗こどもクリニック) |
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肩こりを有する女性に対して加圧トレーニングの効果を検討した。 |
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主観的指標と及び客観的指標として増帽筋筋硬度を測定。同じエクササイズ後いずれも加圧群の方が有意に大きかった。 |
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これにより加圧トレーニングは肩こりを軽減させる治療法となる可能性がある。 |
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精神不安に及ぼす加圧トレーニングの影響に関する予備的研究 藤田 誠先生(東洋物療研究所) |
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加圧トレーニングを臨床的に施術の継続によりうつ等の不安を伴う精神症状に改善が見られることは、経験的に感じていた。 |
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今回調査用紙を用いて、特性不安(性格的傾向)と状態不安(自律神経系の関与)の2種の不安について |
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トレーニング直前、直後の調査を実施した。 |
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状態不安ではすべての症例で不安度の低下を示した。特定不安については弱冠ではあるが低下を示した。 |
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加圧とレーニングは抗不安効果があることが確認できた。 |
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介護現場における加圧トレーニングの実践指導とその効果 長谷川慶造先生(健康プラザスキップ) |
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デイサービス施設では、介護予防運動を実施し多くの効果をあげているが、今回その中でもグループ指導で対応しきれない |
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筋萎縮の高齢者、片麻痺及び車椅子利用者を対象に個別に加圧トレーニングにより生活活動能力に及ぼす効果を検討。 |
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運動頻度は30分 週に1回。加圧によりマシーンを使用せずにチューブ等で行なった。 |
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2ヵ月半の加圧トレーニングで車椅子から自力歩行が可能。要介護が3から2への改善。15年間の麻痺していた足が動いた。 |
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白髪の女性は黒くなったなどの改善がみられた。 |
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介護現場での加圧とレーニングはリスク回避として@本人の希望A家族の理解B主治医の許可 |
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最低限3つをクリアしてからの実施が必要。現場と主治医の更なる理解が必要と思われる。 |
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今後加圧とレーニングは要介護認定者の機能改善法として安全かつ有益な方法となる可能性を強く感じた。 |
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自動加圧トレーニングシステムの開発 山崎由久先生(由人宇宙システム) |
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宇宙飛行士が無重力環境下での筋力、骨量減少及び心配機能低下防止のために加圧トレーニングを実施する |
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ための自動加圧トレーニングシステムを開発する。 |
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空圧式ベルトを用いて、加圧時の脈波をベルト内微細圧力変動として小型圧力計センサーとして検出 |
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各個人の加圧最適圧力を設定するために、老齢者、中高年、一般人、アスリート別にスイッチを設定 |
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今後宇宙飛行士用としてシステムの開発が可能になった。 |
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さらに宇宙用として軽量化、小型化したモデルを製作中である。 |
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マスターミニの体験者へのアンケート調査(筋力アップクンとの比較) 宗像美香子先生(ふく田フォローオン) |
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加圧トレーニングをマスターミニを使用し、今までのアップクンとの比較をアンケート調査により検討した。 |
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ミニは加圧除圧の繰り返しが出来て良い。ベルと部分の改良がくい込み感が減り、逆にしっかり加圧できる。 |
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ワーク・ショップ |
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五十肩の予防と改善 五十嵐弘治先生(コンデショニングシステムズ) |
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膝痛の予防と改善 井口哲也先生(所沢スポーツケアセンター) |
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腰痛の予防と改善 田中裕明先生(アスリート・サポート) |
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アンチエイジング対策 鈴木俊光先生(首都大学東京大学院理学研究科) |
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感想 |
この2日間のなんと中味の濃い日を送ることが出来たことか。 |
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一番感動したのは、本でしか見たことのなかった、創始者である佐藤先生。 |
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閉会の言葉に |
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「加圧トレーニングは、あなたの最高の状態の時にタイムスリップさせるでしょう。」 |
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本の写真とは別人のような若々しい姿に更に、自分の体で証明されていることを確信した。 |
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そして私自身が加圧トレーニングを続けることにより、自分自身への可能性、期待感を強く持つことが出来た。 |
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最後に今回のレポートはパンフレットからの抜粋によるものが主であることをお断りいたします。 |
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